【こぎんブーム?】こぎん刺しの歴史から見る『こぎんの今』と『秋のこぎん展情報』



こんにちは、kogin.netの山端です。
みなさんお元気ですか?僕の方は、来週ついに「なるほど!こぎんツアー」が初開催されるのが楽しみでしょうがないです!その前にお仕事もたくさんあるので、ご迷惑かからないよう進めます(汗)最近の投稿はお知らせばかりが続いていたので、たまには僕の頭の中を書いてみようと思います。下の方には、この秋の「こぎん展情報」もあります!



最近、講演会などで講師に呼んでいただく事が多くなり、「こぎん刺し」について改めて考える機会も増えてきました。

「こぎん刺し」ってブームなの?

こぎん刺しがブームと言われて久しいですが、僕からすると、やっと正当な評価がされてきたという感覚があります。いや、上から目線とかそういうんじゃなくて…です。
というのも、過去に民藝運動を牽引した柳宗悦がこぎんを指して語った、

名も無い津軽の女達よ、よくこれほどのものを遺してくれた

『これらの二つは日本の刺子着としては一番手を込めた立派なもので、技から見ても美しさからいっても、農民の着物としては第一流のものでありましょう。これも雪に埋もれた長い冬の日の仕事であるのはいうまでもありません。今も冬はあり今も女たちはあり今も技が残るのですから、こういう刺子こそ何か新しい道で活かすべきではないでしょうか。』(柳宗悦 手仕事の日本 - 青空文庫

これらの言葉を用いて表現してきた価値が、これまで伝わりきっていなかったということだと思うんです。


その土地で生まれた土産品、素朴な風合い、時間のかかる手仕事、、という見方でこぎんを捉えると、他の地域も魅力的な特産品が幾らでもある日本国内では埋もれてしまうというか。。。例えば日本の手仕事で名刺入れを買おうと思った時に『織物』『印伝』『型染』『泥染』『絣』『紬』『和紙』などなど強力なライバルがいるし、青森県内でも『菱刺し』『裂織』『刺し子』といったものとも競合することになる。ほんと日本はいいものが多いし、ネットで情報が伝わるのはいいことですが、表面だけをきりとって『カワイイ』『カッコイイ』は沢山あるんです。


なぜ、『こぎん』なのか?

ではなぜ、『こぎん』なのか、ということを考えた時に僕がまず思いつくのは「誰もが参加できること」だと思うんです。老若男女どの世代でも、そして国境を超えて熱中できる。また、生まれた背景や辿ってきた歴史、現代への応用範囲の広さを考えると、まだまだ世界に知って欲しいし、広がっていくべきだと思っています。まぁ、それほどどっぷりと魅力にはまっている「こぎんオタク」ですよ、僕は。


よく取材などで「こぎん刺しの魅力はなんですか?」と聞かれると、
手芸としての魅力ですか?
それとも、歴史的ストーリー?
はたまた、モドコや連続模様の魅力?
普遍性?現代の応用範囲?デザインとして?
と逆質問したくなるくらい、多岐にわたる魅力があるんです。

だから、先人たちはこぎんの面白さを伝え、どう表現したら伝わるかを一生をかけて表現してくれたんだと思います。作品で表現したり、模様を研究したり、歴史を紐解いたり。こぎん刺しの本を読んでいくと、この切り口で深掘りしてくれている、こっちの先生はこうきましたか!と対話しているような気分になってくるんです(^^)

こぎん文献絵巻を作るキッカケは?


今年発表した『こぎん文献絵巻』は浅草弘前で開催した古作こぎん研究会やこぎん教室などで様々な方に褒めてもらったのですが、僕は先人たちの足跡をまとめて見せたというだけで、実はそこまで大したことをしたつもりではなかったんです。自分用に整理したかったという気持ちで形にしました。ただ、作り始めるとわからないことだらけで調べなおしたり先輩に聞いたりと大掛かりなことに。。デジタルが使えることで整理がしやすいという意味では、今だからこそできる「編集」作業の賜物かと思います。


待望の古作こぎん写真集、制作中! 



また、僕がずっと夢として描いていたプロジェクトが始まっています。
それは、古作こぎん刺しの着物の写真集を作ること。
こぎんワールド展のご報告記事でも語っていた夢です。

民俗研究家・田中忠三郎氏が『南部つづれ菱刺し模様集』として、協力者の手を借りて古い菱刺し模様を収集してくれていたからこそ菱刺しの伝統模様が続いているように、古作こぎん刺し着物の模様を遺しておきたいんです。しかも布目まで見える高解像度で図案を読めるような写真集にしたい」というワガママな企画。なのですが、素晴らしい協力者の方々と公的機関の手助けのおかげで完成に向かっています。こちらはすでに撮影が進んでいて、11月に最後の撮影をさせていただき3月のイベント時にお披露目したいと思っています。


 こぎんブックマーケット2019 出展募集スタート!


そして、もう一つ。2019年3月30日に開催する『こぎんブックマーケット2019』は、『こぎんの今』を歴史に残したいというkogin.netの勝手な空想から広がり、妻が企画運営してくれて出展募集が始まりました。すでにお申し込みも頂いているようで、ありがたいことですm(_ _)m こぎんブクマの詳細は当日まで、順次お知らせさせていただきます。




久々にこぎん展情報=================

三つ豆「indigo dye」
会場:つぐをギャラリー
東京都世田谷区奥沢5-31-20-101
日時:2018年9/11(火)〜9/24(月)12時-19時 ※9/18(火)休


◇◇◇◇◇



15人のこぎん展
会場:WASABI-Elişi (ワサビ・エリシ)
156-0042 東京都世田谷区羽根木1-21-27 亀甲新 ろ60
日時:2018年9月26日 (水)〜2018年10月1日(月)
11時〜17時(木・金 13時〜19時)定休日:火曜日


◇◇◇◇◇


『津軽のこぎんと刺し子展』津軽工房社
会場:アミューズミュージアム 2階 手仕事のマーケット&ギャラリー
〒111-0032 東京都台東区浅草2丁目34番3号
日時:2018年10月23日 (火)〜2018年10月28日(日)
AM10:00〜PM18:00(最終日16:00まで)



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匠の森
会場:ポーラ ミュージアム アネックス
〒104-0061 東京都中央区銀座1-7-7ポーラ銀座ビル 3階
日時:2018年11月9日(金)~2018年11月18日(日)
11:00-20:00(入場は19:30まで)

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秋冬はこぎん企画が多くなる季節なので他にも告知などたくさんあるのですが、本日はこの辺で!こぎんの秋をお楽しみください◎


kogin.net 山端 家昌(ヤマハタ イエマサ)

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